オランダ王国献上式典について

此の度、去る7月9日オランダ王国大使館において献上式典を滞りなく終了し、国王陛下へ献上することができました。オランダ王国大使館、松浦章氏、朝長佐世保市長、長崎県をはじめ関係頂いた皆様に厚く御礼申し上げます。

献上式典を通じて未来に向かってオランダ王国と日本国の益々の文化交流の発展につながればと願っております。

献上する際に添えた書簡の全文

謹啓

 この度、ウィレム・アレキサンダー国王陛下が御即位後、欧州域外で最初の訪問国として日本を訪問されたとお聞きし光栄に存じます。このことを記念致しまして、やきものを通じて貴王国と長い交流の歴史を持つ三川内焼の作品を献上致したく御挨拶申し上げます。
 私は、第三十回三川内焼窯元はまぜん祭り実行委員長を務める平戸洸祥団右ヱ門窯の中里太陽と申します。私は十五年前に貴王国で陶磁器研修をした経験があり、当時、江戸時代の三川内から輸出された作品を現地の博物館で拝見し、大変感動を覚えました。
三川内焼は、江戸時代の平戸藩御用窯三川内(現佐世保市)において、平戸藩主松浦家のもとで製作されました。その数々のすばらしい作品は、松浦家を通じて朝廷や将軍家などの国内はもとより、貴王国をはじめとする欧州緒国に贈答品などとして納められています。
私はかねてから、三川内焼産地が心一つに、いつかそのような後代に残る名品を製作したいと切望してまいりました。
 今回、第三十回三川内焼窯元はまぜん祭りという記念すべき節目を迎えるにあたり、特別事業として江戸時代のように旧平戸藩御当主であられる松浦家と、産地の作り手の窯元がやきもの製作に共に取り組み、現在ライデン国立民族学博物館で所蔵されている百年前の三川内焼作品をもとに、伝統的な手法と現代の感覚を取り入れた作品を製作致しました。
本事業は、作品の製作から献上に至るまでの過程を公開し、国内外の人々に広く知って頂くことにより、当祭り並びに三川内焼産地の発展につなげ、貴王国と日本国とが過去から築いてまいりました文化交流の歴史を進化させ、両国の未来永劫にわたる限りない発展を願って献上するものであります。
本献上品を通じて、貴王国と日本国両国民の皆様に御関心を寄せて頂き、  両国の未来に想いを馳せて頂けたら幸いに存じます。
結びに、本献上品の製作にあたり、国王陛下並びに貴王国の関係者の皆様に、多大なる御協力を賜りましたことに厚く御礼申し上げますとともに、  ウィレム・アレキサンダー国王王妃両陛下の今後益々の御多幸を心から  お祈り申し上げます。

敬白
   平成二十七年七月九日
三川内焼窯元はまぜん祭り実行委員会
                       実行委員長 中里 太陽


献上式典については、 平戸洸祥団右ヱ門窯、 三川内陶磁器工業協同組合 及び関係機関のフェイスブックに掲載しておりますのでどうぞご覧ください。

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